さて、
美術のお勉強です。
『西洋絵画のひみつ 藤原えみり 著/いとう瞳 イラスト』
を読みました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4255005133/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_4Fn8CbQ15SQTQ
(amazonのページを貼ってみたけど、みんな上手く開けるのだろうか?ぼくだけが開けてるんじゃないよね・・・)
この本では西洋絵画について4つのひみつが解き明かされています。
1キリスト教美術は、聖書の「さし絵」だった!
2「日常」が描かれるまで、長い時間が必要だった!
3なぜ、ヌードなの?
4むかしといまでちがう絵画の「つくる」「売る」「飾る」
旧約聖書の時代から印象派の時代・約4000年の流れをざっくり、でも丁寧に解説!特に宗教画の解説に関しては苦手な人、是非とも知識を付けたい人にはおすすめですよ。もちろん、この一冊が西洋絵画のひみつを全て網羅しているわけではないし、これさえ読んでればOKと云った本ではない。そもそも西洋絵画に関われずそんなに最強な本は存在しないですが。
「P70~聖堂から絵画や彫刻が消えた」の章がおもしろかったです。
よ、う、や、く
- 16世紀後半。
- 聖堂は農民や庶民などの貧しい人にとって、この世に存在した「神の国」だった。
- 絵画や彫刻は礼拝の対象だった。
→しかしプロテスタントにとってそれは「偶像崇拝」と受け取られた。
→時には暴徒化した民衆によって絵画や彫刻が破壊された。
→聖堂から絵画や彫刻が消えた - 7~8世紀の「イコノクラスム(聖像破壊運動)」と同じことが繰り返された。
- 偶像崇拝:
旧約聖書のモーセの第二戒で禁止されている。「あなたはいかなる像も造ってはならない。上には天あり、下には地あり、また地の下の水の中にある、いかなるものの形も造ってはならない。あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない」(「出エジプト記」より) - 聖像論点の焦点:
「神、神の子キリスト、聖母マリアは、ヒトと同じ物質的な肉体を持つ存在ではないでしょ?だったら、その姿を人が表現することはできなくない?」 - プロテスタント(新教徒):
16世紀宗教改革後、ローマカトリック教会に対立してできたキリスト教の新しい教派。
自分たちが偶像崇拝を禁止していたとしても、他人が神として大切にしているものを破壊する必要があるのだろうか?しかも、それが自分たちの想像する神の姿をしているのにも関わらず。プロテスタントのヒトたちはどんな気持ちで聖母マリアの像を壊していたのだろうか?日本にいると基本的には宗教やその問題に触れることはほとんどない。歴史の中では全く同じ問題が繰り返されているので宗教の問題は根が深いんだなぁと思う。だからと云ってなにもできないわけではない。歴史を勉強することもひとつの方法ではあるし、ヒトは誰しも宗教を信じていなくてもそれぞれに信じていることがある。そのことで他人ともめるのではなく普段から思考し、受け入れられるような余裕が必要となんじゃないかなぁと思う。
それではお先に(失礼します)。